はるはるの“ジュリー初心者”日記

ビギナージュリーファンの“はるはる”が、沢田研二様への愛とジュリー学習の過程を語ります。読書メモ「図書館のなかのジュリー」、ライブ感想、初心者の戯言の3本立てでひっそりと運営中。TwitterID @haruandwanko

島﨑今日子「安井かずみがいた時代」/予想外にジュリーだらけの一冊

図書館のなかのジュリー

ビギナーJULIEファンの“はるはる”が、沢田研二様に関する(図書館で借りた)書籍を、
ジュリーに
著しく偏った観点で語る読書メモです
(一般的な書評とは異なることをご了承ください)

 

ジュリー度:★★★(5段階)
島﨑今日子著「安井かずみがいた時代」
集英社,2013年,本体1700円

 

ジュリーに片思いのZUZUがいじらしい

 「ZUZU SONGS」のライブは1994年、ジュリー46歳の頃なのですね。ファンになってすぐの頃は40代のジュリーの姿がどうも受け入れられなくて敬遠していたんですが、最近になってこの当時のとんでもない色気にやっと気づきました。このライブもよいなぁ〜。美しい大人のジュリーがかわいい頃のジュリーを歌うっていうギャップは反則行為でしょ! おなか出して踊るなんて大変にけしからんではありませんか!(もっと見せてー♡)。
 そんなわけでZUZUの本です。ZUZUの没後15年以上経ってから婦人画報に連載されたコラムが一冊にまとめられています。コラム1回(本では1章)につき、1人から3人の証言者が登場してZUZUを語り、著者の島﨑さんがZUZUの歌詞と、証言を裏付ける背景を絡めて読み物に仕上げています。身近な人が語るZUZUの評伝集みたいな感じですかね。
 本書は22章仕立てで、1回ごとに違う証言者が登場するんですが、驚いたことに3分の2ほどの章に「沢田研二」「ジュリー」「ザ・タイガース」のいずれかの文字が出てきます。林真理子の章にも、平尾昌晃の章にも、ムッシュかまやつの章にも、コシノジュンコの章にも、当然だけど渡邊美佐さんの章にも登場する(意外なことに玉村豊男さんの章には出てこない)。加瀬邦彦さんの章なんてジュリーの本なんじゃないかってくらいJULIE一色。ジュリーが主役でZUZUがジュリーゆかりの人物みたいな扱いになっていてちょっと面白い。
 「ZUZUが「危険なふたり」というタイトルを思いついたのは、仕事帰りにジュリーを助手席に乗せて運転していたとき」というエピソードに続いて加瀬さんが語っているのがコレ↓

 あの詞はZUZUが自分をテーマに書いたような気がするんだよね。♪年上の女 美しすぎる♪なんて、図々しいよな。♪それでも愛している♪なんて、これは絶対自分がそうされたい願望だよね。レコーディングの時に、ジュリーにそう言うと、彼は「そうですかね」と笑っていた。ZUZUはずっとジュリーに片思いしていたからね。

 「危険なふたり」の頃はエミさんとお付き合い真っ最中だったんですよね。これを読んだあとに、ジュリーが婚約直後に笑いながら「付き合っていることを世間に内緒にしながら、しれっと“年上の女 美しすぎる”と歌ってた(注:意訳です)」と語るインタビューを読んで、いじらしいZUZUがちょっぴりかわいそうになったのでした…。

吐息をもらしセクシーに歌う沢田研二…じゃなくて吉田拓郎


 加瀬さんの章も濃かったけど、出色の面白さなのはジュリーも大好きな吉田拓郎様です。この章のパンチ力はすごい。ちなみに拓郎が語る加藤和彦さんとZUZUのエピソードは、読むだけでその場面がありありと想像できます。吉田拓郎という人は話がうまいんだな、と発見でした。
 で、最高に面白いのが、1986年に拓郎がリリースしたアルバム(全曲ZUZUが作詞)のレコーディング時のエピソード。ZUZUから「あなたはライオンなんだからもっと雄々しく」「セクシーに」と言われた拓郎はこう語るわけです。

「ZUZUに言われて、セクシーに雄々しくやったつもりだけれど、歌いながら、俺を沢田研二と間違えてるんじゃないかと思った」


 セクシーで雄々しい吉田拓郎…。いったいどんな感じじゃい?と思って、興味本位で(ごめんなさい)このアルバムを聴いてみました

 

 

 わたくし申し訳ないんですが、拓郎さんのアルバムを聴いたことがないので、他がどんな感じかはわからないんですが、Amazon primeでこのアルバムをフルで聴いた感想は…

ジュリーだよ!セクシーだったよ!
拓郎さん、アナタ沢田研二と間違えられてたよ!


具体的にはこの3点。

  • 吐息の多用
  • 甘くかすれさせた高い声で、あ段の語尾に「ぁぁーん」をつける(例:忘れてたぁぁーん)
  • メロディー外のところで「ああーん」のお声


 何度も言うけど、拓郎の他のアルバムを聴いたことがないので、他のアルバムでもこれが普通だったらごめんなさい。そして「ライオンのように雄々しい」ってのはどんな感じかわからなかったのでw確認できず、でございました。

 

ジュリー本人は登場しなかったけど


 私がこの本を読もうと思ったのは、以前覗いた先輩ジュリーファンのブログで前出の拓郎のページ(まるっとアップされていた)を見たから。ジュリーが登場するのは拓郎と加瀬さんの章だけだろうと思って読んだら、予想外に一冊ジュリーだらけだったというわけです。
 それだけジュリーとZUZUの関係性が濃いのだとは思いますが、ここまでジュリージュリーになったのは、著者の島﨑さんがジュリーファンということも大きいのでしょうね(ファンを匂わせる新聞コラムの画像がネットに出回っています)。ファンだからこそ、ジュリーというフィルターを通してZUZUを捉えてる部分もあるからなのかなぁなんて思いました。
 あとがきに「取材を引き受けてもらえなかった証言者がいるのは心残り」と書かれていたので、おそらくこれはジュリー本人のことなんじゃないかなぁとゲスパーしています。これだけジュリージュリー言ってるZUZU本で、ジュリー本人が出てこないのも不自然ですし。でもジュリーが雑誌で故人を語るのは想像できないし、これまでのやり方を通して出なかった(取材申請があったかは不明だけど)ジュリーがやっぱり好き♡と思いました。

 

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