はるはるの“ジュリー初心者”日記

ビギナージュリーファンの“はるはる”が、沢田研二様への愛とジュリー学習の過程を語ります。読書メモ「図書館のなかのジュリー」、ライブ感想、初心者の戯言の3本立てでひっそりと運営中。TwitterID @haruandwanko

ピー先生著「ザ・タイガース 花の首飾り物語」/2012年のジュリーが語るトッポへの想い

図書館のなかのジュリー

ビギナーJULIEファンの“はるはる”が、沢田研二様に関する(図書館で借りた)書籍を、
ジュリー愛に偏った観点で語る読書メモです
(一般的な書評とは異なることをご了承ください)

 

ジュリー度:★★★★(5段階)
瞳みのる著「ザ・タイガース 花の首飾り物語」
小学館,2013年,本体1500円

 

 ピー先生が「花の首飾り」を多角的に掘り下げた一冊。曲が誕生するまでの経緯、歌詞の背景の考察や、すぎやまこういち氏、橋本淳氏、なかにし礼氏へのインタビューや、カバーをした井上陽水のインタビュー、原作詞者の女学生の行方を探し当てるミステリータッチの探訪記もありバラエティに富んだ構成になっています。
 本書の出版は2013年12月で、タイガースオリジナルメンバーでの再結成(ファンの皆様が“完虎”と呼ぶアレですかね)コンサートが行われた頃ですが、執筆は2010〜2012年だった様子。ピー先生によるタイガースメンバーへのインタビューが掲載されており、ジュリーが2012年1月に語る花の首飾りとトッポへの想いが載っています。

かつみに歌ってほしい。おれたちをバックにして(byジュリー)


 ジュリー初心者の私はタイガースの知識がかなーりあやふやで、いつが“完虎”で何が“ほぼ虎”なのかもよくわかっておりません。ロンググッバイからの再会後にどうやらもめたらしいとおぼろげに知る程度だったので、本書で2012年1月のジュリーが「やっぱりね、かつみに歌ってほしいのよ。それも一人じゃなくて、おれたちをバックにして歌うのが一番いい」と話しているのを読んで、頭の中に???がいっぱいになりました。「いやいや、頭真っ白のトッポがタイガースで歌ってる動画あるじゃん」と思っていましたが、私が見ていたのは“完虎”の動画ということなんですね(その後ツイッターで資料を読み、もめてから何があったのかという疑問は解消しました)。
 ジュリーがライブで花の首飾りを歌ってたというのもこの本で初めて知ってYouTubeで見たのですが、少しかすれたジュリーの声が切なさを醸し出していてとてもステキだと思いました。これについてピー先生は

沢田が歌うことによって、この曲に新しいいぶきを吹き込んだことは確かだ。昔からのファンにとっては、特にそう感じられただろうし、昔の経緯を知らない、若いファン層には自然に受け入れられたことだろう。

と記述しています。ただしジュリー本人の捉え方はこれとも違っていますが、これ以上はネタバレになるので自重。
 花の首飾りについて、5人のメンバーそれぞれの演奏やコーラス、ボーカルの技術的要素も載っており(技術のことはさっぱりわからないけど)なんだか秘密を知ったようで楽しいです。読後ツイートにも載せましたが、サリーが水谷豊さんと花の首飾りを歌っているのを初めて知って驚きましたわ。サリーが本の中で語っていたことを読んでから曲を聴くと味わい深くなる…。
 また、曲ができた当時になぜジュリーではなくトッポが歌うことになったのか?という理由にも触れられていて、(ファンの間では常識なのかもしれませんが)私は全然知らなかったので「へー、そういうことなんだ」と面白く読みました。

八雲町探訪記で知るピー先生の熱さ 

 本書でかなりのページを割いているのが、原作詞者の女学生の行方を訪ねてピー先生が八雲という街を旅する“探訪記”です。八雲町は北海道の南の方(函館から札幌方面へ特急で1時間くらいの距離)にある小さな町。かつて「ケンタッキーファーム」というKFCの実験農場と直営レストランがあったことで有名で、「ハーベスター八雲」と名を変えた現在も冬場には夢のフライドチキン食べ放題ができるすばらしい町なのであります。なお私も今年の2月に食べ放題にチャレンジしましたが、3個で胸焼け起こして撃沈。行くなら若いうちじゃなきゃダメね…。
 …すみません、脱線しました。で、ピー先生はその女学生の行方を探すためにまず情報収集目的で八雲へ行ったんですが、いきなりアポなしで現地の高校の校長や、町長に面会を求めるんですね。アポなしってのが私にはかなりの衝撃でした。役場の実務担当程度ならアポなし訪問もわかるけど、いきなり町長か!とびっくりで。ザ・タイガースという看板があるからなのかもしれないけど、「ピー先生、すごいな、熱いな」と読んでて感心しきりでした。
 なお現在の八雲町は町おこしに「花の首飾り」を活用しており、町にできる予定の北海道新幹線の新駅の発車音楽を花の首飾りにするという計画があるそうです。そんな町おこしのきっかけになったのが、このときの町長へのアポ無し訪問だっていうんだから、ピー先生すごいよと思わずにはいられないのでありました。


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